
旭化成株式会社
研究開発からデザイン領域へ越境。キャリアの転換期にDesignship Doを2年連続で受講した理由。
サービスデザイン
プロダクト×チーム
ビジネスや事業においてデザインが担う領域は日々拡大し、越境から生まれる価値も増え続けています。
今回は研究職からデザイン領域へキャリアを越境し、その過程でDesignship Doを2年連続で活用した平松さんにお話をお伺いしました。
私は大学院を卒業後、旭化成で断熱材など素材の研究開発に7年ほど従事していました。
もともと大学で化学を専攻していたこともあり、広い領域に事業展開をしている旭化成に魅力を感じて入社し今に至ります。しかし研究開発に長く携われば携わるほど、とある現実を身にしみて実感するようになりました。
それは世界最高基準のスペックを市場に出しても「必ず売れるわけではない」ということです。
研究開発はHOWを突き詰める世界です。スペックや性能を高めること自体は、非常に重厚でありやりがいもある仕事だと思います。しかしこの素晴らしい技術がもっと多くの人に届いてほしい。良いものを作るのは当たり前として、お客様のもとへ商品が届くまでの流れ自体を自ら作れるようになりたいと強く思うようになりました。
その想いが日に日に増していく中、会社でもDXを推進する機運が高まったことをきっかけにデジタル共創本部 DX経営推進センターが設立されました。この部門は名前の通り自社のDXを推進している部門になるのですが、自社の業務改革や社外向けの新規サービスを立ち上げることもあります。
これは転機だと思い、思い切って研究職から異動を願い出ました。現在はデジタル共創本部にてPM(プロダクトマネージャー)的な立場を取りながら、部署のデザイナーのスキルアップをリードする立場でもあります。

新しい部署で新しい仕事に囲まれる中、物事を前に進めていくために手探りで情報を集めていました。その中で出会ったのがデザインシンキングの書籍です。本を読み進めていく中で「自分が必要としていたのはこれなんじゃないか」という手応えがありました。
そこからどんどんデザインについて調べるようになりましたが、徐々に独学の限界を感じ始めるようにもなりました。
そのタイミングで海外のデザインスクールが日本で開催されるという情報を聞きつけ、5日間のプログラムに申し込みました。このプログラムを通して手応えを感じ、より見聞を深めたいと思ったのですが・・・会社を休職して大学に行くのはハードルが高いと二の足を踏んでいました。
そんな中「仕事を続けながら、深く学べる場所はないのか?」と思っていた時に出会ったのがDesignship Doです。在職しながら現場と親和性の高いカリキュラムを網羅的に学ぶことができるのはとても魅力的でした。
結果的に2022年にサービスデザインコース、翌年の2023年にデザインマネジメントコース(現:プロダクト×チームコース)の2コースを受講しました。
初回にサービスデザインコースを受講した理由としては、サービスデザインのプロセスを一通りステップとして踏んでみたかったからです。断片的な情報や経験は自分なりに積み重ねていましたが、実務で実現するには様々な制約があるので全容を掴み切るのはなかなか難しかったからです。
また受講後、メンバーやプロダクトのマネジメントを行う機会が増えたのでマネジメントコースを追加受講しました。またサービスデザインコースで学んだことを通じてデザイン的観点でプロジェクトを推進することはできていましたが、徐々にデザイン観点だけでは意思決定できない場面が仕事の中で増えてきたタイミングだったんです。そこをカバーできる内容がプロダクトマネジメントにあるのではと思い、2度目の受講に踏み切りました。

講義のレベルと、受講生のレベル感がわからなかったことは少々不安でしたね。
特に自分が美大を出ているようなデザイナーの立場ではなかったので、どこで線引きされているのか?どういう知識や経験があることを前提として話が進むのか?という点も気になりましたが、いざ受講してみると、それらは杞憂に終わりました。
受講生はITに限らず、様々な業界から参加していましたし、私のように他職種のキャリアから越境しデザイン的な思考方法や態度を身につけようとしている人も多くいました。
講義の情報量は多いですが、様々なバックグラウンドを持つ受講生の前提を踏まえながら講義が進行するので主体性を持って参加すれば十分に対応できるカリキュラムだと思います。
2コースを受講した自分としては「サービスデザインコース」と「デザインマネジメントコース(現:プロダクト×チームコース)」は相互補完的な内容だったと感じました。
まず、サービスデザインコースでサービスデザインの全体的な流れや意義、起きうる課題を網羅しながらワークを通じて実践できるのが大きかったです。全体感がわかっているからこそ、部分的に要素を噛み砕いて実務に取り入れたりすることもできましたし、周囲にも説明しやすかったです。
またデザインマネジメントコース(現:プロダクト×チームコース)の前半で受講したプロダクトマネジメントの講義では、自分がもっとも知りたかった「デザイン観点だけでは意思決定できない場面」に対するアプローチがギュッと詰まった内容でした。
ユーザー中心でプロダクトをデザインすることに加えて、ビジネスの観点からターゲットを決めたり戦略を考えるこの2軸を往復することによって、より良いサービスが生まれビジネスとしても整合性が担保できるということを実感を持って理解することができました。

また今の仕事内容がPMに近い立場になりつつあるので、両方の視点とスタンスが頭に入っているのは現場でも役に立っています。ビジネス寄りのメンバーと話す時はPMの思考が必要で、デザイナーと一緒に動くときはサービスデザインの発散と収束のスタンスと切り替えをするようになりました。双方に上下関係はなく、フラットに場面やフェーズで使い分けることが事業を作る上で大切だと感じています。
また後半のチームマネジメント前半ではデザイナーをマネジメントする特有のことなのかと思いきや、他職種にも広く応用できる内容だと感じました。
またチームマネジメント後半では、実際にチームのロードマップを引くワークに取り組み、同時にチームへ普及させていく方法を学びました。組織の進み方や発展の方向性、それに必要な時間感覚を視覚的に示すことができるようになるので、新しいことが出来るようになったなという感覚があります。
またロードマップを引くこと自体はできても、メンバーにまできちんと伝えていくための普及についてまでは設計できていなかったので重ねて大きな学びになりました。
講義は土曜日開催だったので、仕事の調整がいらないのはありがたかったです。受講前は日常業務への影響や負荷を心配していましたが、社会人向けのカリキュラムであることもあり、思ったより両立は難しくなかったと感じました。
とはいえプライベートには影響が出るので、妻には事前に受講のことを伝えて了解を得ていましたね。
その一方、サービスデザインコースではグループワークが多々あるため平日に集まる必要も度々ありました。そういう時はお昼の12時〜13時など仲間が集まりやすい時間帯をチョイスして、オンラインでワークを進める工夫をしていました。

まずサービスデザインコース受講後は、約1ヶ月半のワークを通じてどのようなプロセスと手法を経てサービスを生み出していくかのプロセスと手法を網羅的に体験することができました。会社にも持ち帰り、日々の業務やプロジェクトの中に持ち込んで実践に繋げることができています。
またデザインマネジメントコース(現:プロダクト×チームコース)の受講後は、社内で「プロダクトマネジメント」という言葉を積極的に出すようになったなと感じます。なぜなら自分たちの部署が、その役割を担っていることを自覚したからです。
以前はデザインをやる人と、開発をやる人、ビジネスやる人みたいな形でざっくり3分類していたのですが、それらを束ねる役割を担っている=プロダクトマネジメントをしているというラベルに自覚的になり、周りにも伝えることによって「社内で何をやっているのか」が説明しやすくなったと思います。
また自分だけでなく、チームや組織にも波及効果があると感じています。自分が学んだことを自分だけに閉じるのではなく、周りに地道に伝えていくことによって最近はプロダクトマネジメントやPMという職種に興味を持つ人が増えた実感があります。
Designship Doは自主的に学ぶ姿勢がある人にとって、学べることが多いカリキュラムだと思います。著名かつ第一戦の現場で活躍している講師陣から直接話を聞くことができるので、自ら疑問を作り、それを講師にぶつけていくことができるとより大きな学びの場になると思います。
また同じ視座を持つメンバーに出会えることも、Designship Doの良さであると感じています。受講生の同期と連絡先を交換して交流会を開催したりすることもありますし、講師とのつながりも今だに続いています。メンバーと交流する中で他社のデザインへの姿勢や取り組みを間接的に知ることで、自社と比較したり対照するだけでもさまざまな気づきがあります。
現場で格闘しながら学び続けている人に、是非受講を検討してみてほしいです。

ーーありがとうございました!
私たちのチームは、マテリアル・住宅・ヘルスケア事業と組み、デザインとデジタル技術を用いて、新しい価値共創の形、ビジネスモデルを生み出そうとしています。そのためには事業を知り、そこに関わる人々をリサーチし、アイデアを形にしていく必要があります。
このような越境的な取り組みに興味があるデザイナーの方、特にBtoBのエコシステムを理解し、問題特定と解決策を考案できるサービスデザイナーや、デザイナーとエンジニアの架け橋となることができるUXエンジニアの方を積極的に募集しています。 ぜひご検討頂けると幸いです!
2024/4/13